卵巣子宮摘出術(避妊手術)/卵巣摘出術(避妊手術)/停留精巣摘出術(去勢手術)/膀胱結石摘出術/腹腔内臓器の各種、組織生検/副腎摘出/胆嚢摘出/肝臓摘出など
お腹を大きく切り開き手術するのはかわいそう、、とても痛そう、、そう感じる飼い主様は多数いらっしゃります。
そこで、当院ではなんとかワンちゃんネコちゃんの負担をへらす低侵襲な治療法をとの思いで、人の大学病院での研修等を受講し、堺市以南の南大阪では初となる腹腔鏡による外科手術を行っております。
というわけで、当院では現在消化器内視鏡や耳道内視鏡に加え、腹腔鏡による検査・治療・手術も行っております。
腹腔鏡手術とは、お腹に1センチ程度の小さい穴を2~3箇所ほど開けて、腹腔鏡カメラや超音波メスなどの手術器具を挿入し、モニターを見ながら行う手術です。
大きな切開を行う手術とは違い、腹腔鏡手術は傷が小さく、痛みが少ないうえに傷の治りも早いことがメリットとして挙げられます。すべての手術で腹腔鏡手術が必ずしも良いというわけではないため、その子の健康状態や診察・検査結果などの全てを総合的に判断して、一番良い治療方法を決めさせていただいています。
1. 術中の痛みが少ない
- 傷が小さいため、手術により起こる体内の炎症を抑えられ、痛みが少なくなります
- 術後の痛みが少なく、動物の回復が早い
2. 手術の傷が小さい
- 小さな傷で手術が可能です。(約2~5mmの傷が数個で可能)
- 手術の内容によっては日帰り手術も可能です
3. 術後リスクが低い
- 特に、ハイリスクな動物への負担が少なくなります
- 術後の呼吸器合併症が少なくなります
- 入院期間を短くすることができます
4. お腹の中の環境を保つことができる
- 内蔵が外の空気と触れないため、胃腸などの他の臓器の回復が早くすみます
- 手術後の癒着を少なくすることができます
5. 拡大された鮮明な画像を得ることができる
- 高性能カメラと4Kモニターによる鮮明な画像が得られ、細かい臓器の異常や血管を目視することができます
- 繊細な手術を行うことができます
- 手術中の情報を手術に関わる全てのメンバーで共有することができる
当院では腹腔鏡手術の経験豊富な獣医師が担当し、幅広い手術にも対応可能です。
腹腔鏡手術の適応疾患の一例です。
適応疾患例
当院では避妊手術でも腹腔鏡での手術を行っております。
傷口を小さくすることができますので、動物への負担を少なくすることができ、翌日には走り回っている子も多数いるくらい動物に優しい手術法です。
病気ではないのにお腹を大きく切りたくないと思われる飼い主様も多いんじゃないでしょうか?
でも将来の病気も心配という飼い主様も多いです。
そのような方には腹腔鏡による避妊手術が最適であると思われます。
術前検査
これは他の手術も同じですが、全身麻酔をかけての手術なので、麻酔をかける前に全身の状態をチェックします。内容は年齢によって多少違っていて、高齢になるほど、様々な問題が体で起きている可能性があるので、詳しい検査をお願いしています。
血管確保・術前鎮痛
術前検査で異常がなければ、血管内に術中に点滴を行うためのカテーテルを入れます。これは安全に麻酔を行うために必ず必要です。 鎮痛剤も痛みが起きて使うよりも、痛みが起こる前に使用した方が効果的なので、術前に鎮痛薬を投与します。
麻酔前投薬・気管挿管
全身麻酔はガス麻酔で行いますが、ガス麻酔を行うために必要な気管チューブを入れるために、麻酔前投薬を注射し、気管チューブを入れます。気管チューブはすべて滅菌されたものを使用しています。
麻酔開始・モニター装着・毛刈り・消毒
気管チューブが入ったら、ガス麻酔を開始します。すぐに生体モニターを装着し、体の状態をモニタリングします。当院で監視している項目は心電図、血圧、体温、酸素飽和度、終末期呼気炭酸ガス濃度、麻酔ガス濃度です。
モニターを装着して、安定していることが確認されたら、毛刈り、消毒を行います。
腹腔鏡の手術は傷は小さいのですが、毛刈りは通常の避妊手術と同じようにおこないます。
まず最初に、カメラや鉗子(つかむ道具)、超音波メスを挿入するための小さい穴(ポート)を3箇所設置します。
そして、カメラでお腹の中を見ながら、手術していきます。
卵巣・子宮に繋がっている血管を超音波メスで止血と切開を同時に行い、切り離していきます。切断した卵巣を体外に取り出し、出血を確認し、腹壁と皮膚を縫合して終了です。
おおよそ1時間以内には終了します。
腹腔鏡手術では、お腹を大きく切らずに、手術することができるため、傷口も小さく、痛みも少なくする事ができます。
傷口も腹腔鏡手術ですと3mm~1cm程度の穴を開けるだけ行うことができます。
従来の開腹手術
腹腔鏡手術
腹腔鏡手術は予約制となっておりますので、
ご希望の場合は一度お問い合わせください。