犬猫の高齢期は何歳からかご存知ですか?
ワンちゃん・ネコちゃんともに7歳を過ぎるとシニアと呼んでいます。
そして、ワンちゃんの2頭に1頭は7歳以上のシニア期に入っています。ネコちゃんも同様です。
ワンちゃん・ネコちゃんも人間と同様に、年をとるにつれ、様々な身体能力が次第に衰えていきます。飼主様にとっては、いつまでも可愛い子供のように見えても、ワンちゃん・ネコちゃんは人間の数倍の速さで年齢を重ねていくのです。
老齢になると行動もこれまでとは違う変化をしていきます。ネコちゃんとの過ごし方を知っていただき、これまで以上に楽しい生活を過ごしてください。
犬猫の年齢換算表
人間 |
40歳 |
44歳 |
48歳 |
52歳 |
54歳 |
56歳 |
60歳 |
64歳 |
68歳 |
小型犬、中型犬 |
6歳 |
7歳 |
8歳 |
9歳 |
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10歳 |
11歳 |
12歳 |
13歳 |
大型犬 |
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7歳 |
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8歳 |
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9歳 |
猫 |
6歳 |
7歳 |
8歳 |
9歳 |
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10歳 |
11歳 |
12歳 |
13歳 |
人間 |
72歳 |
76歳 |
80歳 |
81歳 |
84歳 |
86歳 |
88歳 |
92歳 |
96歳 |
小型犬、中型犬 |
14歳 |
15歳 |
16歳 |
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17歳 |
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18歳 |
19歳 |
20歳 |
大型犬 |
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10歳 |
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11歳 |
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12歳 |
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13歳 |
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猫 |
14歳 |
15歳 |
16歳 |
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17歳 |
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18歳 |
19歳 |
20歳 |
シニアのワンちゃん・ネコちゃん用チェックリスト
□ 体重の減少がある
□ 水を飲む量が増加してきた
□ 嘔吐する頻度が増加してきた
□ 食事の嗜好性が変化してきた
□ 糞便の色が変化してきた
□ 尿の回数や量が多くなってきた
□ 尿の回数や量が少なくなってきた
□ 歯肉からの出血などの異常がある
□ 食事の際に食べ物を口からこぼす
□ 目からの分泌物の色が変化してきた
(白・黄色・血の混じったような茶色)
□ 耳の内部が汚れている
□ 被毛の状態が変化してきた
(乾燥・ツヤが無い・フケ・脱毛)
□ 寝る時間が長くなってきた
□ 物事への関心が低下してきた
上記のチェックリストが1つでも当てはまる・気になることがある場合は診察時にお尋ね下さい。
健康な状態でも、年に1回は定期健診を受けましょう。
いつまでも健康でいるために 〜日頃の予防法〜
高齢になっても元気に過ごすためには、日常的な予防や対策を行いましょう。
- ■関節の病気予防
- 食事と運動をきちんと管理して、肥満を防止することが大事です。
関節用のサプリメントやフードの利用などの方法もあります。
- ■脊椎の病気予防
- 関節の予防と同様に食事や運動管理で、肥満防止に努めましょう。背骨に負担をかけないことが重要です。
- ■歯の病気予防
- 定期的なデンタルケアで歯の健康を保ちましょう。
- ■心臓の病気予防
- 心臓は知らないうちに悪化していきます。定期的な心臓検査が必要です。
- ■生殖器の病気予防・腫瘍
- 常に生殖器に異常が無いかチェックしましょう。体表に小さなしこりが無いかをチェックすることも重要です。
当院の取組み
シニアのワンちゃん・ネコちゃんにいつまでも元気でいてもらうために、やっていただきたいことをご紹介します。
○ホモトキシコロジー療法
高齢のワンちゃん・ネコちゃんには負担をできる限りかけずに治療を行いたいものです。ホモトキシコロジー療法は自然由来の成分で治療を行います。
高齢のネコちゃんに多い慢性腎不全の治療には特に効果がみられています。
ホモトキシコロジー療法の詳細はコチラ
○オゾン療法
オゾンの効用としては、酸素供給量を増やすことで、細胞の代謝を活性化させて免疫系の調節を行うこと、抗酸化作用を高めることができます。特に高齢の動物は免疫力の低下しているため、当院では積極的にお勧めしています。
オゾン療法の詳細はコチラ
○プラセンタ療法
プラセンタ療法は人の医療でもアンチエイジング治療として実施されています。
プラセンタは、成長に伴って減少する成長物質を補うことで、老化を防止し、様々な免疫力を高める効果があります。
プラセンタ療法の詳細はコチラ
○水素水療法
高齢になるにつれ、体内の細胞などが酸化していきます。水素水による抗酸化作用により、体内の酸化を防ぐことで、アンチエイジングとしての効果があります。
水素水療法の詳細はコチラ
高齢のワンちゃんに多い病気
脊椎の病気(変形性脊椎症など)
老齢期に多く見られ、腰痛や歩行障害などが起こります。重症化すると後肢がマヒし、寝たきりになってしまうこともあります。
生殖器の病気
(子宮蓄膿症:女の子)
細菌感染などで子宮の中に、膿が溜まる病気です。避妊手術をしていない6歳以上のワンちゃんに多く見られます。ホルモンバランスの乱れや、高齢に伴う免疫の低下で細菌に感染するリスクが高くなるといわれています。
生殖器の病気
(前立腺肥大:男の子)
オス犬の膀胱の後方で尿道を囲むように存在する前立腺が徐々に肥大してくるのが前立腺肥大です。進行すると、排便・排尿障害や細菌感染を伴う前立腺膿瘍を引き起こすこともあります。
肛門の病気(会陰ヘルニアなど)
去勢手術をしていないオスがかかりやすくなります。高齢になり、おしりの周りの筋肉が緩んできたためにできた穴(ヘルニア孔)から腸や膀胱が脱出し、排便・排尿障害を起こします。
腫瘍(乳腺腫瘍、リンパ腫など)
腫瘍は癌や肉腫とも呼ばれ、高齢になると発生しやすくなります。
乳腺腫瘍はメスに最も多く発生する乳腺にできる腫瘍です。特に避妊をしていないメスでの発生率が高い傾向にあります。その他にも人間と同様、様々なところに腫瘍が発生します。
心臓の病気(僧帽弁閉鎖不全症など)
僧帽弁とは、心臓の左心房と左心室の間に存在する弁で血液が逆流しないようにする重要な役割を果たしています。この弁が異常をきたし心不全による咳・運動不良・湿疹・肺水腫などの症状が出ます。
関節の病気(変形性関節症など)
主に、中高齢期の股関節・肘・膝・肩に良く見られ、関節の軟骨組織がすりへったり、破壊されたりすることにより、様々な部位に発生して関節の動きが悪くなったり慢性的な痛みを伴います。
お口の病気(歯周病など)
歯と歯ぐきの間に入り込んで増殖した細菌によって歯ぐきが炎症を起こし、歯を支える部分が破壊されていく病気です。歯に溜まった歯垢や歯石が主な原因となります。
上記の病気は一例です。また、病気を予防するためにも日頃のケアに注意しましょう。
高齢のネコちゃんに多い病気
ホルモンの病気
(甲状腺機能亢進症など)
特に中高齢によくみられます。甲状腺の機能異常により、ホルモンが過剰分泌されて障害が現れてきます。食欲があるのに痩せていく場合は要注意です。
腎臓の病気(腎不全など)
腎臓の働きが悪くなり、老廃物が体内に溜まることにより、貧血や尿毒症などを引き起こします。飲水量やおしっこの量が増えてきたら、まず腎疾患を疑いましょう。
すい臓の病気
(膵炎・三臓器炎など)
老齢期のネコちゃんによくみられますが、食欲低下、体重減少など他の病気と症状が似ているため、見つけにくい病気です。胆管肝炎などを併発し、黄疸が見られることもあり、重症化すると命に関わる病気です。
腫瘍(乳腺腫瘍など)
雌の乳房またはその付近の乳腺に様々な大きさの「しこり」が発生する病気です。猫の乳腺腫瘍は90%以上が悪性で早期の外科切除が必要となります。
関節の病気(関節炎など)
歩き方がおかしい、足をひきずるなどの症状が出ます。関節軟骨の障害により、慢性的な痛みが持続し生活の質が低下します。
お口の病気(歯周病など)
歯と歯ぐきの間に入り込んで増殖した細菌によって歯ぐきが炎症を起こし、歯を支える部分が破壊されていく病気です。歯に溜まった歯垢や歯石が主な原因となります。
上記の病気は一例です。また、病気を予防するためにも日頃のケアに注意しましょう。